内向的留学生活

「内向的」は“Quiet: The power of Introverts in a world that can’t stop talking”を書いたスーザン・ケインによる定義に従います。
つまり、脳を活性化させるのに大きな刺激が必要であれば「外向的」、静かで落ち着いた環境にいる時に、いきいきと能力を発揮できるならば「内向的」です。純粋に内向的な人や純粋に外向的な人というのはいなくて、それは一人の人間の中の割合の問題です。だそうで。


留学する人は外向的である場合が多いと思います。留学は、海外で大きな刺激を得続ける行為であり、それを積極的に受け入れていこうとする意志があるはずだからです。

ところでスーザン・ケインの本の中の内向的度テストによると、自分はとても内向的です。

留学は外向的な人間がやることだというイメージはそういう僕にだってあります。では、なぜ留学したのか、それはたぶん、留学にたくさんの小さな刺激を求めたのだと思います。
確かに留学し始めは大きな刺激ばかりで精神的に疲れます。初めの2週間は、大学を訪れていろいろな人に挨拶したり、住むアパートを決めたり、必要なものを買いに知らないショッピングモールに出かけたりしました。その時はあらゆることを気にしなければならなかったと同時に、様々な違いを体感して刺激に圧倒されました。途方もない精神的な疲労で日中に眠くなってしまうので、いつも2時間ほど昼寝しないとやってられないほどでした。
それでも環境の違いという大枠での強い刺激には人間馴れることができるようだと、自分で経験しながら思っています。環境を変えて大きな刺激を得たいという漠然とした動機のみだと、留学生活がだれてきてしまうのかもしれません。

日々たくさんの新しい人に会うよりも、日本人でない友人一人ひとりの考え方を深い部分まで知りたいこと、誘ったら一緒に旅行してくれそうな友達がいても、一人でバリ島やジャカルタに行ってしまうこと。
日本と違う国の仕組み、宗教と民族、文化、等…それらと現地の人たちの性格や考え方や社会システム…との関係のようなところに興味があったって留学する良い理由になります。


僕にラッキーだっったことに、インドネシア・バンドゥンには不快な刺激が個人的には少ないです。脳に憑りつき思考活動を蝕むことが少ないという例で、好き嫌いの複雑な人間関係が周りにない(『インドネシア人はすれてない』某日本人評)、気候が温かい(寒さに耐えられないので、日本の冬は家に引きこもっています)、研究のプレッシャーが少ない(研究者になるためにはだめですが)、日本から来ると相対的金持ちになりお金の心配が減る、などがあります。


自分の外向性の増加。

自分は内向的だと上に書きましたが、留学期間が経つうちに刺激に強くなっているのを感じます。積極的に行動を起こさなかったとしても、
普通に生活しているだけで日本でのほほんと暮らしている時とは比べ物にならないほど精神的体力がすり減ってゆきます、良くも悪くも。一日単位で考えると辛そうですが、だんだんと精神が図太くなり、刺激にも強くなります。それと引き換えに弱い刺激に敏感でなくなってしまうかもしれませんが、まだ僕にはそれが実際にはどうなるのかは判断できません。どのようにすればその両方を手に入れることができるのか、もしくは頭の中のスイッチを必要に応じて切り替えることができるのか、これから考えてみたいと思います。
まあ極端な人間であるよりはプラスマイナスゼロが最も生きやすいはずだと信じてやっていきます。

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