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バンドゥン工科大学とビジネスとバンドゥン市の今後

先日、バンドゥン工科大学のビジネス&マネジメント学部(SBM)が主催した、Tech-Based Businessという一連のクラスの最終発表会である、Demo-Dayを見てきました。

イベントのポスター
イベントのポスター

これはSBMがハブとなり、ビジネスに積極的な学内の理系学生が集まってきてスタートアップを始める良くできた仕組みです。30人ほどの学生が1学期をかけてビジネスの基礎となる知識を学びつつ、同時に実際にプロダクトを作り最終的にこのDemo-Dayで発表することを目的とします。

これまでバンドゥン工科大学の内部で、SBMとその他理系学部に隔たりがありました。要因はSBM生の、お金持ちだという自負とそれに伴った高いプライドです(入学するための点数は他学部のよりが低いが、学費はすごく高い) [*1]。
しかし現在、バンドゥン工科大学としては、SBMの学費を下げたり、今回のように学部を超えた協力的なプログラムを作ることなどによりSBMをそれ以外の理系学部と対等に、隔たりが小さくなるように変えていこうとしています。
…[*1] これまでSBMの学生は、親の経営するビジネスを継ぐためにビジネスを勉強する人が大金を払って入学するということが多かったようです。しかし、最近はより多様なバックグラウンドを持つ人で能力とやる気がある人が入学してくるようになっているそうです。

イベント中の一枚
イベント中の一枚

個人でもビジネスを始めたがる人が多いインドネシアですが(手作りの雑貨をInstagramで売る、海外からモノを輸入して売るなどなど...)、体系的な知識と人脈を持ってテクノロジーに関するスタートアップの起業家になりたいならうちのビジネス学部へ来てくださいと言える強みをバンドゥン工科大学は持ちたいのかと思います。

このTech-Based Businessのプログラムは、テクノロジー業界が企画・運営するインドネシアで初の大学講座だそうです。プロダクト発表会での、Go-Jekの副社長等の国内Tech系有望企業幹部の参加を見ると、バンドゥン・スマート・シティ[*2]がうまくいくかはこの流れに掛かっているのではないかとさえ感じられました。
個人的にはこのスマートシティの考えはビジョンとしても可能性としても賛同しているので、うまくいってほしいと思っています。
あまり日本の人に知られている都市ではありませんが、中期的に見て、バンドゥンおもしろいと思いますよ。
…[*2] バンドゥン市長のリドワン・カミルのメインの政策の一つが、バンドゥンのスマートシティ化です。

大学で開かれたバンドゥン市民のための科学祭のようす
大学で開かれたバンドゥン市民のための科学祭のようす

インドネシア人の突進力、柔軟性、そして発展中の経済のためビジネスの種は多いので立ち上げるとこまでは比較的進みます。しかし、スタートアップに限らず全うにビジネスをしようとすると困難ばかりなインドネシアでどこまで成功できるか。そのカギを探すことを僕自身の現地での課題として、これからも考えていこうと思っています。