留学をして価値観が変わるのか、変わらないのかなんて議論するのはもうやめましょう。

---

長期留学など海外に長期滞在することにはメリット、デメリットが様々あります。
その特徴として挙げられるものは、ある意味ではメリットになるし、見方を変えるとデメリットにもなるというものが多いです。
しかし、いくつかの特徴の中には、誰にとっても確実に良い効果だけをもたらすものがあります。

それというのは、簡単に言うと、これまで生きてきて作り上げたものを捨て、新しい世界に飛び込むとき、人の性格・生き方は、自動的に、革命的にアップデートされるということです。

日本にいた時、こんな自分になりたいという理想がありながらも、それは今までの自分と大きく違うために周りの目を気にして踏み出せない、とか、振る舞い方を変えて失敗し恥をかきたくないだとか思って躊躇してしまう人が多くいると思います。
日本で生まれ育った人なら特に。

海外に来て生活スタイルがガラッと変わると、あなたの下にしがらみのない自由な世界が現れます。そこでの新しい行動パターンを決めるのはあなたです。
“海外”が重要なのは、現地の人との人間関係において、お互いに、お互いにとっての常識を知らないことです。
その価値観のゆがみを利用すると、抑圧されていた気持ちが勝手に自分の中の壁を打ち破り、水を得た魚のように、大きな負荷なく表に出てくることになります。

それまでに続いてきた日常の中で、ただ突然に新しい習慣を取り入れるよりは、全く新しい環境に飛び込み生活スタイルが変わるその瞬間に新しいことを始めた方が、それを定着させやすいと思います。
心理的な「慣性の法則」を一度リセットさせる効果があるためです。

滞在期間が長期であるべきなのは、新しい自分が定着するのには時間がかかるからです。具体的にどれくらいの期間が必要なのかはもう少し考えてみる必要がありますが。

日本での人間関係から離れ、長く住むために海外に行く時、まるで自分が生まれ変わるかのように感じるかもしれません。
理想の性格、理想の自分を持っている限り、海外の長期滞在という環境の変化が、意識的にも無意識的にもあなたを理想のあなたに近づけるのです。

自分探しの旅という言葉があります。
そういうもので見つかる（かもしれない）のは、新しい価値観です。その時、あなたが変わるのではなく、世界の見え方が変るのです。

自分を探すよりも、なりたい自分を心に描きながら、新しい世界に飛び出すほうが効率的でしょう。