ジャカルタ雑感2 ビジネス、日本人街、地上3メートルの断絶

ジャカルタでビジネスをしている人を見ていると、あまりにもあらゆる分野で需要が大きすぎて、欲せられていることをすると誰がやってもお金が稼げてしまうような雰囲気さえあります。

海

稼ぎやすいからこそ仕事の意義を自分の中に持っていなければビジネスに飽きてしまうという斜め上からの課題にやられてしまいそうなほどです。
例えば、ジャカルタでは単純に人口が増えているだけでなく、市民の総収入もすごい勢いで伸びていることなどを要因として、不動産ビジネス、つまり土地や部屋、マンションへの投資や売買が盛んになっています。
そのビジネスをしたところで、自分にお金が入ってくる以外に誰が幸せになっているのかという疑問が残ります。が、同時に、それなりにリスクを管理していれば安定して稼げる仕事でもあります。

ジャカルタの日本人街(ブロックM)に行きました。
そこには少し懐かしいような地方政令指定都市の駅前のような日本料理屋が並んでいました。インドネシアでは日本人は皆お金持ちに思われることを考えると、幾分質素だなとは思いましたがこれくらいのほうが国外の日本人のこころの故郷を刺激するのでしょうか。
ジャカルタだけでも1万人ほどの日本人がいるとはいえ、小さな町くらいの日本人コミュニティです。また現地日本人同士のつながりが強いこともあり、そこの日本料理屋たちにとっては口コミの影響が大きいのでしょう、店員さんはお客さんにすごく優しくしてくれるなと感じました。
訪れた店の一つでは、日本人の方が店長をしていて、個人的に面倒くさいお願いをいやな顔せず受け入れていただくこともあったり。

ドラえもんEXPOに行ってきました。
インドネシアで人気の日本文化の一つにドラえもんがあり、多くのインドネシア人が会場にいました。100の秘密道具を展示ということでしたが、彼らは100枚では収まりきらないほどの、フレームに人を含めた写真を撮っていたと思います。

ジャカルタの北部にはコタ地区という旧市街があり、コタ地区のオランダ統治時代の面影を残す地区は色使いがよかったです。
家の壁や屋根の黄褐色や薄い赤と茶色、道路のコンクリートの灰色、黒い電柱、地面近くに茂る草、少し高い木や空などの自然を含めて、いつかの時代のヨーロッパの感性がジャカルタの気候と融合して残っているような。
その、同じ系統で、良い意味でメリハリのない色の調和は、世界が平面の絵であるような、自分と世界を一体に感じさせ不思議な気持ちにさせます。写真はありません。

ジャカルタは一昔の東南アジアのイメージとは全く違って高層ビルが立ち並んでいますが、しかしやはりインドネシア、わざわざ注意深く見るなどしなくても、貧困の世界やそこまでとはいかなくても洗練された高級モールの客層外の人たちがおそらく過半数いるのではないかと思います。
そのような人たちの生活圏では“高い”所に行くことがないのですね。実際に街を歩いて思うのは、地上の世界と地上から(例えば)3メートル以上の世界は全く違うのです。
歩道橋の上からぐるっと街を見渡すと、いくつも建っている新しくきれいな高層オフィスビルや高級そうなかっこいいマンションしか見えません。
渋谷などのビル群などと違うのは、ビルに広告やスクリーンなどのない完璧なきれいさです。丸の内あたりが近いのでしょうか。その境界線より上ではまるで雲の上の世界に来てしまったかのようです。富める者だけが“高い”場所に行けると。まあジャカルタだけではないですが。

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