G型大学?L型大学? インドネシア人学生の実践力

「G型大学」と「L型大学」という言葉が流行っているようですが(G型大学とL型大学http://agora-web.jp/archives/1618134.html)、インドネシアのトップ理系大学であるバンドゥン工科大学の学生から感じたこと。

最近、粘性流体力学(Visous Fluid Flow)という大学院のクラスで中間試験の代わりにプロジェクトが課されました。提出期限は1か月以上先という、その結果次第では論文が書けそうなほどしっかりとした課題です。

インドネシア人の友人と二人組のペアとなって行います。

流体力学に興味がある方のために少しだけプロジェクトの解説をすると、飛行機の翼に加わる揚力と抗力を、いくつかの方程式をこねくり回したり、任意のよりよい方法で変数を近似したり、プログラミングをするなどして計算し、流れ解析ソフトや実験結果と比較します。

この課題を、飛行機が大好きなユッキー君と行うことになりました。彼も自分と同様に航空工学科に所属し、ほかにも様々なプロジェクトを抱えているようです。

自分の日本の出身大学では、ある程度与えられた手順通りにチームで行うプロジェクトはありましたが、このような、長期間でありかつ期限のあるプロジェクトを行ったことはほとんどありませんでした。

バンドゥン工科大学の航空工学科では4年次に1セメスターをかけてチームで飛行機の設計を行うというプロジェクトがあるらしく、そのために卒論を書くのが遅れてしまい留年する人も少なくないそうです。

ペアのユッキー君にとってこのような比較的自由なプロジェクトはよくあることのようで、まず、やるべきことを羅列しタイムスケジュールを作るなどの方法論を教えてもらい、手際よく進んでいます。

また、産業界でもよく使われている流れ解析のソフトウェアの使い方を教えるという実践的な授業が学部であるそうです。

最終課題では自分で設定した問題にそのソフトを用いて取り組むというもので、実践的だからこそネット上に答えの落ちていない問題を自分で設定し、自分自身で解決するという大切なプロセスを辿りやすいということを思い出させてくれます。ちなみに自分の大学にそのようなソフトウェアを使う授業はありませんでした。

では日本の出身大学の教育はというと、理論重視だったのかもしれません。学科の方針としても、工学的というより、より原理に近いところを重視すると言っていたと記憶しています。

または単なる自分の努力不足かもしれませんが。(出身大学を悪く言いたいつもりはありません。)

日本のG型の大学院を卒業し、インドネシアのG型の大学の学生に実践力を見せつけられた話でした。

優秀な人は何をしてもよく考え、よく吸収するので、そういう人にはどっちでもいいだろとも思えてきます。

そして、大学で実践的な事柄を教えないのならば、企業が一から教えてくれるのでしょう。よろしくお願いします。

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